[和訳] New Slaves – Kanye West
〜誰にも支配されたくないあなたへ〜
2013年リリースのKanye Westによるアルバム”Yeezus”より。
終わらない黒人差別と資本主義に支配された社会を照らし出し、現代の奴隷像と自由への闘争を提唱しています。
カニエ本人が「この曲の2ndバースは俺の最高傑作だ」と明言しているように、この曲は最初から最後までとてもメッセージ性の強いリリックが展開していきます。その強さを際立たせるように激しくカオスなビートが響き渡ります。ちなみにこの曲に参加したアーティストとしてはOutroでのFrank Oceanがいますが、実はプロデューサーとして若き日のTravis Scottも参加しています。
[Intro]
Chill, chill, chill, chill, chill, chill
落ち着けよ
Chill, chill, chill, chill, chill, chill
落ち着くんだ
[Verse 1: Kanye West]
My mama was raised in the era when
俺の母親は人種差別が蔓延る時代を生きてきたんだ
Clean water was only served to the fairer skin
綺麗な水は肌も”心”も純白な人しか飲むのを許されなかったのさ
Doin’ clothes, you woulda thought I had help
ファッションの世界も俺が席巻してやったぜ。他のデザイナーに助けてもらったんだと思ったろ
But they wasn’t satisfied unless I picked the cotton myself
だが奴らは俺が自分で綿を摘んでいる姿を見せなきゃ満足しないのさ。かつて黒人にそう強いたようにな
You see it’s broke n**** racism
金のない黒人は全員盗人だと決めつけて差別するんだよ
That’s that “Don’t touch anything in the store”
「この店のものに触れるな」と言って追い出されるのさ
And it’s rich n**** racism
そして一度富を築けば、奴らは金遣いの荒いイメージを勝手に当てはめて差別するんだ
That’s that “Come in, please buy more”
「どうぞ、もっと買ってください」ってな
“What you want, a Bentley? Fur coat? A diamond chain?
そして奴らは続けるのさ。「何をお求めですか?ベントレー?毛皮のコート?ダイヤのチェーン?
All you blacks want all the same things”
あなたたちは皆同じものを欲しがるのでね」
Used to only be n****s, now everybody playin’
かつては肌の色で差別されるだけだった。それが今じゃ誰もが資本主義の奴隷になりうるのさ
Spendin’ everything on Alexander Wang
稼いだ金の全てをアレキサンダーワンに費やすんだ
New slaves
新時代の奴隷だよ
[Refrain: Kanye West]
You see it’s leaders and it’s followers
この世界には導く者と追う者がいるんだ
But I’d rather be a d*** than a swallower
だが追う者の批判を恐れて真実を飲み込むぐらいなら堂々と出した方がマシさ。そして俺が導く者になるんだ
You see it’s leaders and it’s followers
お前は誰かの前を歩いているのか?それとも後ろを歩いているのか?
But I’d rather be a d*** than a swallower
周りに同調して真意の口を閉じるより何を言われても純な思いを吐き出す自分でありたいんだよ
[Verse 2: Kanye West]
I throw these Maybach keys
富を見せかけるだけの高級車ならその鍵を捨ててやるのさ
I wear my heart on the sleeve
等身大の自分を打ち明けるんだ
I know that we the new slaves
俺たちは皆、新時代の奴隷なんだよ
I see the blood on the leaves
南にある木の葉には血が流れているのさ
I see the blood on the leaves
滴る血の上を見るとそこには奇妙な果実が実っているんだ。終わらない暴行の果てに男が首を吊ったのさ
I see the blood on the leaves
今、俺たちを取り巻く金には同じ血が滲んでいるよ
I know that we the new slaves
あの時からずっと俺たちは金に働かされているんだ
I see the blood on the leaves
そして流してきた血が資本主義を赤く染めるのさ
They throwin’ hate at me
奴らは俺に激しくヘイトを投げつけるんだ
Want me to stay at ease
手を後ろに組んで休まされるよりはマシだけどな
F*** you and your corporation
巨大な白人企業なんかクソ喰らえよ
Y’all n****s can’t control me
お前らなんかに俺を支配することはできないぜ
I know that we the new slaves
俺たちは皆、新時代の奴隷なんだよ
I know that we the new slaves
資本主義に支配されているのさ
I’m ‘bout to wild the f*** out
怒りのあまり暴れ出してしまいそうだ
I’m goin’ Bobby Boucher
まるでBobby Boucherのようにタックルしてやるよ
I know that p**** ain’t free
可愛い子とヤろうと思ってもタダじゃないんだ
You n****s p****, ain’t me
俺はお前みたいな金のためにメジャーに魂を売る弱虫とは違うのさ
Y’all throwin’ contracts at me
お前らは俺に専門用語の並んだ契約書を投げかけてくるんだ
You know that n****s can’t read
読み書きのできない黒人を嘲るようにな
Throw on some Maybach keys
俺は高級車の広告塔にはならねぇよ
F*** it, c’est la vie
これが人生なんだな
I know that we the new slaves
俺たちは皆、新時代の奴隷なんだよ
Y’all n****s can’t f*** with me
誰も俺を弄ぶことはできない
Y’all n****s can’t f*** with Ye
誰も俺を軽んずることはできない
Y’all n****s can’t f*** with Ye
誰も俺を超えることはできないんだ
I’ll move my family out the country
家族を連れて国外に移ろうと思っているんだ
So you can’t see where I stay
それなら俺の居場所を突き止められないで済むだろ
So go and grab the reporters
だから今レポーターに掴みかかりに行くのさ
So I can smash their recorders
奴らのレコーダーも粉砕してやるよ
See, they’ll confuse us with some bulls***
メディアは俺たちアーティストと馬鹿げたでたらめを結びつけようとするだろうな
Like the New World Order
新世界秩序とかいう陰謀論にな
Meanwhile the DEA
その一方で麻薬取締局が黒人の検挙に動き出すのさ
Teamed up with the CCA
刑務所を統括するCCAと手を組んでな
They tryna lock n****s up
奴らは黒人を狙って収監しようとするんだ
They tryna make new slaves
この時代に奴隷を生み出しているんだよ
See, that’s that privately owned prison
そして私営の刑務所で囚人をタダ働きさせて金を稼ぐのさ
Get your peace today
今日を生きるためにひとかけらの平和を手に入れろよ
They prolly all in the Hamptons
奴らは皆ハンプトンズで優雅に過ごしているんだろうな
Braggin’ ‘bout what they made
そして奴隷主として成し遂げた”功績”を自慢し合うのさ
F*** you and your Hampton house
お前もハンプトンズの豪邸もくたばればいいんだ
I’ll f*** your Hampton spouse
だからお前の妻を寝取ってやるよ
Came on her Hampton blouse
ブラウスの上に出してやろうか
And in her Hampton mouth
それか口の中にな
Y’all ‘bout to turn s*** up
お前らもそろそろ音量をぶち上げたところだろ
I’m ‘bout to tear s*** down
俺はこの国で起こる問題をHipHopに変えて古い世界を破壊してやるよ
I’m ‘bout to air s*** out
ラップゲームから偽物の音楽を吹き飛ばして駆逐してやるのさ
Now what the f*** they gon’ say now?
さぁ、何か言うことはあるか?
[Bridge]
Nothing bad, nothing bad, noth-
何も悪いことはない
Noth-Noth-, -ing bad, noth-noth-
何も悪いことはない
Bad, nothing bad, nothing
何も悪いことはない
[Outro: Kanye West, Frank Ocean & Kóbor János]
I won’t end this high, not this time again
ハイになった今を終わらせたくないんだ。もう二度とこんな瞬間は来ない気がしてさ
So long, so long, so long, you cannot survive
ウィードを吸って現実に別れを告げるのさ。お前じゃ生きていけないぜ
And I’m not dyin’, and I can’t lose
俺は死んでいないよ。幻覚の中にしかない自由を失うわけにはいかないんだ
I can’t lose, no, I can’t lose
現実に負けられないんだよ
‘Cause I can’t leave it to you
大切なものをお前に委ねるわけにはいかないからな
So let’s get too high, get too high again
だから吸い込んだ煙と共に誰も届かない高みまで上っていくんだ
Too high again, too high, ooh hoo-hoo-hoo, woo
気が遠くなるほど高いあの場所まで
Yeah, h-h-h-high, h-high-high, high-high high-igh-high-high
記憶の最果てまで浮かんでいくのさ
H-high-igh, yeah, high, high-igh
そしてその極みで自由に身を奮わせるんだ
Egyszer a Nap úgy elfáradt (mhm-igh)
ある日太陽が光ることに疲れ
Elaludt mély zöld tó ölén
くすんだ緑の湖の深くで眠っていた
Az embereknek fájt a sötét
暗闇の中で世界は苦しんだ
Ő megsajnált, eljött közénk
また輝きを取り戻すまで。そして全ては自分たちのために